大学院創造工房教育の一環として、外部講師による特別講義は下記の通り予定されています。
ご聴講下さい。
・日時:2015年7月9日(木) 15:00-18:00
2015年7月10日(金) 9:00-12:00, 14:00-17:00
・場所:研究棟325-F
・講師:福岡大学 医学部 教授 井上隆司
・テーマ:不整脈発生機転におけるTRPMファミリーの役割のシステム生理学的解析
・概要:
TRPチャネルスーパーファミリーは、進化上極めて古い起源を有し、種々の物理化学刺激に応答するCa/Na透過型陽イオンチャネルである。このチャネルの活性化には、(1)受容体アゴニスト・脂質メディエータ・活性酸素種等の生理活性物質、(2)機能性食品・環境汚染物質等に含まれる化学物質、(3)環境の温度、酸性度の変化、(4)細胞膜の伸展・牽引・ずり応力、浸透圧変化による細胞膨張・収縮等の機械刺激など、細胞内外微小環境の恒常性維持に影響する多くの因子が含まれている。このため、種々の生体機能の発現・制御やその破綻による病態形成の諸過程に密接に関わっていると考えられている。本講義シリーズでは、心血管系に発現するTRPチャネルのうち、心リモデリング時に発現が著増し、新しい不整脈の基質として注目を集めているTRPM4、TRPM7チャネルに焦点を当て、電気生理学的解析に基づいたシステム生理学的解析の成果について紹介する。また、講演内容の理解を促進するための準備として、パックランプ法を用いた電気生理学的解析法の開発の経緯や生体機能研究への応用例に関する解説も行う。